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横顔の文化

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制作物の原稿を作る場合、その種類によって、定型句のように使う語句があります。

そんな、ふだん何気なく使っている語句にも、調べてみると別の意味があったり、意外な語源があったりするものです。

 

例えば、過去にこんな経験があります。

会社案内や登場人物のご紹介をするときに使う「プロフィール/profile」という語。

特に意味を気にすることなく、当たり前のように使っていました。

それが、ふと気になって辞書を調べなおしたとき、

 

「profile」の和訳として、1番に「横顔」とあったんですね。

 

人物などの「紹介」や「略歴」みたいな訳が頭にあったので、ちょっと不意を突かれた感じでした。

もちろんそういう訳もあるのですが、2番手3番手に出てくる派生です。

ちなみに「輪郭や側面を描く」という意味で動詞としても使うようですね。

勉強不足でした。

 

ただそうすると、その後でいろいろと腑に落ちてきます。

 

確かにこれまで、「社長の横顔」などのタイトルで略歴や人となりを紹介しているのを目にしているなと。

これまでなんとなくで「横顔」という表現が「他者から見たその人の印象」みたいなものだと理解して、

特に気に留めることもなかったのですが、なるほど語源は「profile」の和訳かと。

 

さらにそこに加えて面白いのは、日本語での「横顔」という語感から由来したものでしょうか、

「○○さんの横顔」といったタイトルで語られる記事には、一般的な人物紹介の他にも、

ふだん紹介されないプライベートな一面や、隠された素顔、的なニュアンスを含むことも多いですね。

「裏の顔」となると行きすぎですが、より親しみやすい表現をする場合に「横顔」はちょうど良いのでしょう。

 

西洋の肖像に関する文化は、正面よりも横顔が中心でした。

古い肖像画やコイン、「カメオ」に彫られているようなレリーフにも横顔が多いですね。

骨格的にアジア人よりも顔の彫りが深い分、横顔の凹凸がその人の特徴を捉えやすい面があります。

また、信条文化的にも、西洋絵画と日本絵画で人間の顔の描き方に歴然とした差があるように、

「美」の捉え方そのものも大きく異っていました。

 

今も日本ではやはり正面から見た顔の方がずっと重要で、横顔は参考のような扱いです。

写真を撮る場合も、斜め横くらいならいいのですが、真横となるとなんとなく苦手な方が多いでしょう。

 

こんなちょっとしたところにも、独自の文化的な流れを見て取れるのは面白いですね。

 

(京都オフィス 小嶋)

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