こんにちは。
京都オフィスの重永です。
先日、うちの近くのパン屋さんの店頭看板に、京都市からのこんな公告が貼り付けられていました。
どうも京都市の屋外広告物条例に違反しているため、適法に是正せよという命令のようです。
しかも、勝手に剥がしたりすると、刑法258条の公用文書等毀棄罪にて罰せられる旨の警告まで記載されています。
公用文書等毀棄罪は3月以上7年以下の懲役。
営業妨害この上ない張り紙ですが、こうなるとうかつに剥がしたりできませんね。
去年の10月にリニューアルオープンした際に、派手な看板に変わったので、大丈夫かなと思っていたら、10カ月後に警告をいただいてしまったわけですね。
屋外広告物への規制は全国どこでも大抵の自治体は定めているのですが、京都市の屋外広告物条例は日本一厳しいと言われ、地域ごとに屋外広告物の面積や高さ、色などに非常に細かい規制がかけられています。
具体的には京都市のWEBサイトにある条例とガイドラインに詳細な説明が記載されていますので、興味のある方はご参照ください。
この規制は全国チェーンの企業や郵便局であっても例外ではなく、他の地域ではお馴染みのド派手な看板が、京都市内だと地味なものに変わるということで、よくSNSなどでも話題になっています。
マクドナルドの看板が京都では茶色ベースに変わるというのは、よく知られたところだと思います。
これはマクドナルドの看板のベースとなる赤い色が条例での規制対象色となっているため、規制にかからないようにベースを茶色に変更しているのです。
他にもセブンイレブンやローソンなどのコンビニも、カラーやデザインが京都仕様に変わります。
こうした全国チェーンの看板の標準仕様のものと京都仕様のものとの違いが、下記サイトに多数まとめられていますので、その違いを見比べると面白いですよ。
長年京都に暮らしていると、京都仕様の方を見慣れてしまっているので、標準仕様の方は毒々しいなぁと感じてしまうようになりました。
京都市の屋外広告物条例はあまりにも厳しすぎて、事業者泣かせの条例と言われており、いろいろ思うところのある方々も多いかと思いますが、その是非についてはあえてここでは触れません。
むしろ、そんな厳しいルールを逆手にとって話題になるように仕向けたり、景観と調和させながら消費者に共感を抱かせて引き込むといった、そうしたやり方で集客を図る方法を考えることをおススメしたいと思います。
実際、そのような素晴らしいデザインの看板も多数作られています。
また、京都市では「京都景観賞 屋外広告物部門」を創設して、京都の町並みにふさわしい看板等を表彰してきたり、京都にふさわしい屋外広告物の設置・設計等に掛かる費用の一部を補助する「京都市広告景観づくり補助金交付制度」などを設けたりもしています。
そうした補助金などを活用して作られた看板やのれんなどが、京都市都市計画局広告景観づくり推進室が運営する「京都かんばんねっと」に多数掲載されていますので、ぜひご覧ください。
※参考:京都かんばんねっと